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いよいよ
日本鳥類目録
【第8版】
新たな「日本の野鳥」へ
2012年に第7版が出版されて以来、2024年に日本鳥学会による12年ぶりの改定が行われました。
種の境界の見直し、記録が曖昧な種の除外、新たに記録が確認された種の追加、亜種から種への変更、種から亜種への変更などにより、日本の野鳥は633種から644種へと変化いたしました。
これに伴い、バードウォッチング.comでは最新の改定に合わせた観察難易度の調整を行います。
第8版で削除された種とその理由

第8版で追加された種と観察難易度案
追加種 | 処理 | 詳細 | 難易度案 |
---|---|---|---|
アオガン | 追加 | 北海道(2020)、宮城(2019-2020)、それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
カナダガン | 追加 | 亜種チュウカナダガンで北海道1(2015)の記録あり。数少ない迷鳥。外来種として野生化した亜種オオカナダガンの繁殖個体群は2015年に根絶済み。 | 10 |
アメリカビロードキンクロ | 追加 | 北海道、宮城、千葉の記録あり。数少ない迷鳥。 | 9 |
オウギアイサ | 追加 | 北海道(1997)、鳥取(2017)。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
クロビタイハリオアマツバメ | 追加 | 五島列島、トカラ列島、与那国島。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
ヒメカッコウ | 追加 | 石川、長崎、対馬、トカラ列島、与那国島。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
ウズラクイナ | 追加 | 京都(2010)、小笠原諸島(2012)。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
オーストラリアセイタカシギ | 追加 | 茨城、東京、神奈川、和歌山、鹿児島、奄美大島、沖縄島。国内記録の一部は要再検討。それぞれ数少ない迷鳥。 | 8 |
アメリカコアジサシ | 追加 | 亜種アメリカコアジサシ:茨城(2014)。亜種不明:茨城、千葉。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
アメリカウミスズメ | 追加 | 亜種不明:北海道(2013)、大阪(2014)。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
クビワオオシロハラミズナギドリ | 追加 | 群馬、愛知。洋上の記録の多くは見送り。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
オガサワラミズナギドリ | 改名 | 伊豆諸島(迷鳥)、小笠原諸島(夏鳥.旅鳥)、硫黄列島(夏鳥)、琉球諸島(不定期)、伊豆諸島沖(迷鳥)、小笠原諸島沖(夏鳥) | 5 |
ブロンズ トキ | 追加 | 滋賀、三重、福岡、佐賀、長崎、奄美大島、琉球諸島。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
アメリカハイイロチュウヒ | 追加 | 茨城(2016)、茨城・千葉(2019)。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
ルリオハチクイ | 追加 | 伊豆諸島(2013)、沖縄諸島(2015)。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
リュウキュウサンショウクイ | 独立 | サンショウクイの亜種から種へ。雌雄ともにサンショウクイより羽色が濃い。九州・南西諸島・岡山・山口・愛媛・高知で留鳥。岐阜・和歌山・兵庫で冬鳥。関東を含め、本州での記録も増えている。 | 5 |
オリイヤマガラ | 独立 | ヤマガラの亜種から種へ。石垣島、西表島で留鳥。山地の常緑広葉樹林に生息。島内でも局所的で数は少ない。狙っても探しても見つからないことも。 | 5 |
チョウセンウグイス | 独立 | ウグイスの亜種から種へ。飛島、竹島で数少ない旅鳥。その他、本州日本海側・南西諸島を中心に迷鳥・不定期な飛来として記録。ウェブ検索では越冬の記録も。亜種ウグイスより上面下面ともに褐色味が強く、額がやや赤褐色を帯、下面も亜種ウグイスより暗色。嘴は亜種ウグイスよりやや長い。 | 5 |
シセンムシクイ | 追加 | 徳島(2016)。数少ない迷鳥。 | 10 |
アムールムシクイ | 追加 | 日本海側での記録が多い。飛島、竹島、福岡、対馬で、まれな旅鳥。ほかの地域で迷鳥。正式な記録は少ないが、意外と日本海側を渡っているという情報も。外見でのエゾムシクイとの識別は非常に困難のためか、国内での情報が少ない。虫のような「フィリフィリフィリ」という囀りによる識別が多い印象。 | 6 |
スゲヨシキリ | 追加 | 北海道(2016)、鳥取(2018)、対馬(2012)。それぞれ数少ない迷鳥。 | 9 |
マンシュウイナダヨシキリ | 追加 | 宮崎(2012)。数少ない迷鳥。 | 10 |
ミナミトラツグミ(和名新称) | 独立 | 絶滅危惧種Ⅱ類。2024年の調査で過去最多の117羽を記録。亜種オオトラツグミ:奄美大島(留鳥)、亜種コトラツグミ:西表島(留鳥)※1984年以降の確実な観察例はない。 | 6 |
オレンジジツグミ | 追加 | ジツグミの仲間。平島(2013)、久米島(2014)。数少ない迷鳥。 | 9 |
ウタツグミ | 追加 | 北海道、長野、東京、神奈川、福井、大阪、広島。数少ない迷鳥。 | 9 |
ハチジョウツグミ | 独立 | ツグミの亜種から種へ。北海道(冬鳥、旅鳥)、本州(冬鳥、旅鳥)、四国(冬鳥)、九州(冬鳥)、沖縄(冬鳥)。黒味は少なく、下面の斑は赤褐色。個体変異が多い。国内最初の捕獲が八丈島だったためにハチジョウツグミと呼ばれている。 | 7 |
チャムネサメビタキ | 追加 | 神奈川(2018)。数少ない迷鳥。 | 10 |
ホントウアカヒゲ | 独立 | アカヒゲの亜種から種へ。沖縄諸島で留鳥。絶滅危惧種IB類。警戒心が少なく近くまで来ることも。 | 4 |
リュウキュウキビタキ | 独立 | キビタキの亜種から種へ。屋久島以南に分布。奄美諸島、琉球諸島で留鳥。 | 4 |
ニシオジロビタキ | 追加 | 宮城、大阪(冬鳥)。その他本州や四国、九州、南西諸島各地で数少ない旅鳥。越冬する場所あり。 | 5 |
カワビタキ | 追加 | 北海道、栃木、広島、山口、長崎、対馬で数少ない迷鳥。南・東南アジア、中国の標高2000-4000m付近で繁殖し、冬は低地に降りて越冬。篭脱けの可能性により第7版では登録されていなかった。 | 9 |
コシジロイソヒヨドリ | 追加 | 静岡(1982)、対馬(2015)。数少ない迷鳥。 | 9 |
ニシツメナガセキレイ | 追加 | 長崎(2014)。数少ない迷鳥。 | 10 |
オガサワラカワラヒワ | 独立 | カワラヒワの亜種から種へ。日本固有種。無人島で繁殖。毎年個体数が減少し、深刻な状況。母島列島に200羽、南硫黄島に100羽しかいないのではと推定される。小笠原群島、硫黄列島で留鳥、冬鳥。絶滅危惧種。カワラヒワと比べて体は小さく、硬くて大きな種子を食べるため嘴は大きい。母島では集落でも観察されることがある。 | 6 |
シベリアアオジ | 独立 | アオジの亜種から種へ。本州各地でまれな旅鳥。九州、離党など各地で不定期な飛来、数少ない迷鳥。沖縄で少数が 繁殖という情報も。 | 7 |
カオグロアメリカムシクイ | 追加 | 茨城(2017)。数少ない迷鳥。 | 10 |
【難易度10】 観察が至極困難な種類。過去1~数例しか観察されていない種、死体の記録しかない種がこれに含まれる。再発見の期待を込め、絶滅した種類も含めた。
【難易度 9】 主に過去数例~十数例程度の記録しかなく、近年観察されていない種類。およそ490種以上掲載されている図鑑でなければ登場しないものがほとんどである。
【難易度 8】 主に1年~数年に1度程度しか観察記録がない種類。そのため多くは迷鳥である。そのほとんどは特定の図鑑にしか掲載されていない。
迷鳥に関しての観察難易度は、以上の決まりにのっとって設定をした。難易度9における「近年観察されていない種類」に関しては、2017年での設定と2025年での設定で難易度を設定した年による時間のずれが生じてしまうため、あまり厳密にはとらえていない。ウェブ検索によりブログ投稿の頻度やその様子を参考に、管理人が微調整を行っている種もある。
基本的に、1例しか正式な記録がない種については、ある程度近年記録があっても10としている。それ以外の迷鳥は9とした場合が多いが、インターネット上での記録が多い種などは8と設定した種もある。
また、南西諸島などの留鳥の扱いに関しては、現地に行けばすぐに見ることができる種も多く、あまり数字を高く設定はしていない。※メグロ・カンムリワシと同様の例。
その一方で、今回の改定で追加された留鳥は、個体数が少ない種や、観察できる場所が局地的なものも多くあったため、観察難易度は少し高めに感じるかもしれない。※ワシミミズクと同様の例。
もっとも苦戦した種は、アムールムシクイやハチジョウツグミなどの、観察を意識していないと逃してしまいやすい種であった。改定後に意識する人が増えることにより、一気に情報が増えて観察しやすくなる可能性があるためである。
本ホームページでは観察難易度について閲覧者からアンケートを取る方法で難易度を微調整しているため、以後微調整の対象になることを想定しながらも、現在集められる情報をもとに数字を設定した。
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